19世紀末ウィーンの唯一無二、絶対的アーティストのグスタフ・クリムト。
ゴールドを散りばめたゴージャスで官能的な女性たち。
エロティックで背徳的なクリムトのアートの世界にぐるり360度囲まれて
映像美とモーツァルトやベートーヴェンなど優美なクラシック音楽、
甘く芳しい香り、そしてウィーンの美食やワインと共に、
めくるめく背徳的没入感にどっぷり浸かる「クリムト・アライブ」展。
2026年3月1日まで大阪リバーフォーラムで開催されているこのアート展の魅力を
グスタフ・クリムトへの溺愛リスペクトと共にわかりやすく解説します。
(※画像や動画撮影はすべて許可されています)
「ジャポニズム」「デザイン」「女性美」「自然愛」「エミーリエとの愛」クリムトのアートの世界を5つのキーで読み解く。
今回の「クリムト・アライブ」は、今までのアート展とは異なり、観る人がぐるり360°クリムトの世界観のスクリーンに囲まれ、全身でどっぷり浸る、まったく新しいスタイルのアート体験です。
その映像は①「ジャポニズム」からのインスパイア、②「デザイン」の仕事での成功、③恋多き男クリムトのアートの原動力となった「女性美」、④クリムトのアートの隠れた土台である「自然美」、⑤最愛の女性エミーリエ・フレーゲとの魂の愛を基軸に、5つのストーリーに分かれています。
約30分間の映像が何度もリピートされるのですが、直感的にストーリー性を感じる映像と優美な音楽、甘美な香り、心地よい五感の刺激に飽きがこないので、スクリーン前のクッションやサイドのベンチ、ポジションを変えながら何時間でもその場にいられます。

【ジャポニズム】琳派・浮世絵からインスパイアされた装飾美と平面美。
日本人の私たちにとって興味深いのが、クリムトの美意識が琳派や浮世絵などの日本美術にインスパイアされたことです。
琳派と言えば、安土桃山に本阿弥光悦や俵屋宗達らによって狂い咲きした時代の徒花、金箔をあしらった豪奢な装飾とダイナミックな構図、デフォルメされた自然のモチーフなどで知られています。また浮世絵は平面美に長けた日本人の感性が生み出した芸術です。
イントロのスクリーンでは尾形光琳の「紅白梅図屏風」や「燕子花図屏風」、伊藤若冲の鶏図がクリムト作品と交錯します。筆者のような琳派好き、日本画好きの人なら、もうこの時点でたまらんビジュ…アート心鷲掴みされちゃいます。逆に言えば、クリムトの日本美術へのリスペクトこそが、私たち日本人がこれほどまでに熱狂的にクリムトを愛する理由かもしれません。

【デザイン】先鋭的芸術家集団「ウィーン分離派」でモダンデザインの礎を築く。
「アートは思考を囲む線である。」グスタフ・クリムトの名言です。クリムトの美の本質は、そのアバンギャルドな思考にこそあると言えます。
グスタフ・クリムトは1862年ウィーン郊外に生まれ、博物館付属工芸学校卒業後に弟2人と芸術家商会 (Künstlercompagnie) を設立、美術やデザインの仕事をスタートします。劇場装飾を中心としたエッジの効いた彼らの作品はすぐに多くの人から絶賛され、ウィーン美術界での成功を収めます。
ところが古典的価値観から逸脱しタブーを犯すアバンギャルドな思考から、伝統を重んじる保守的な美術家組合からバッシングを受け対立。そこで1987年、クリムトは若手芸術家と共に「ウィーン分離派」を結成。自らが初代会長を務め、新しい価値観を表現するモダンデザインの礎を築いていきます。
【女性美】恋多き男クリムト。高貴な女性たちの官能的な生命力こそが創造の源。
上流階級の高貴な女性たちの官能美を描き続けたクリムト。恋多き男クリムトにとって官能的な女性美は、保守的な社会の制約からの「解放」への象徴であり、同時に生と死のサイクルを予兆させるものだったようです。
クリムトの家には常に多くの女性たちが出入りし、クリムトは多くの女性と愛人関係にあり、生涯独身だったものの子供は6人いたと言われています。

【自然美】五感で自然を捉える独創的な風景画こそクリムトアート真髄。
クリムトといえば装飾美や官能的女性美のイメージばかりが先行しがちですが、実は自然からインスパイアされた美意識も真骨頂、独創的で美しい風景画もたくさん描いています。
モザイクタッチで描かれた木々や色とりどりの花々、得意とする水面モチーフ。豊かな色彩感覚、光や風、匂いをとらえる五感の感性、多彩なタッチや描写テクニックという面では、風景画の美しさも秀逸です。

【魂の愛】生涯のパートナー、エミーリエこそファム・ファタール「宿命の女」。
恋多きクリムトですが、生涯愛した女性はエミーリエ・フレーゲただ一人と言われています。エミーリエはファッションデザイナーで実業家、当時には稀有な自立した女性でした。二人は互いに刺激し合い、リスペクトし合う対等の関係で、最初は男女の関係だったのが、後々には精神的な絆を深めていったようです。
クリムトグッズもステーショナリーから、スイーツまで充実。
グッズコーナーもキーホルダーやノート、エコバッグ、ファイルなどステーショナリーも充実。ウィーンのスイーツやオーストリアのスパークリングワインが飲めるコーナーもあります。

まとめ
ゴールドを散りばめた豪華絢爛な装飾美、愛と性のエロスと死と生のタナトスをテーマにした官能的な表現で知られる、19世紀末の唯一無二の芸術家グスタフ・クリムト。そのクリムトの世界観にどっぷり浸れる「クリムト・アライブ」大阪展は、世界で初めての没入型の新しいアート体験ができます。ぜひ一度体験する価値ありなので、行ってみてください。
【展覧会名】クリムト・アライブ 大阪展
【会期】2025年12月5日(金)~2026年3月1日(日)
【開館時間】10:00~17:00 ※最終入場は閉館の45分前
【会場】堂島リバーフォーラム
【住所】大阪市福島区福島1-1-17
【前売チケット】一般・大学生:2,600円 中高生:1,800円 小学生:1,300円
【当日チケット】一般・大学生:2,800円 中高生:2,000円 小学生:1,500円
※料金すべて税込


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