お仕事って、愛ですから。
広告のコピー書いてみたいけど、なんだか難しそう…。
いいえ、そんなことはありません。
プロフェッショナルとして長年活躍するコピーライターが
誰でも気軽にコピーライティングにチャレンジできるポイントを
あれやこれやとお伝えします。
今回はラストの3回目で08〜10講座をご紹介します。
08 編集はコトバのデザイン、あるいは建築です。
編集の仕事って、コトバの建築かもしれませんね。
もしくは、言葉の積み木遊びでしょうか。
創りたいカタチをイメージしながら、全体のマナー&トーン、ビジュアルとの絡み、
文章量のバランス、本文とのコラムとの構成、キャプションなどのディテール…。
それらを組み立てては壊し、スクラップ&ビルドを繰り返し、
ひとつの世界観を構築していくわけです。
長めの文章の構築のキモは、最初の1行にあります。
作家性のある文章の場合、このつかみのセンスですべてが決まります。
いわゆる“起承転結”の“起”です。
ところが広告系の編集の仕事の場合は、
最初の1行から、いきなりガッツリ“結” おしりからもってきます。
なぜなら、その後の文章を読まれない可能性があるからです。
たとえ本文を読まれなくても、否が応でも目に入ってくる
キャッチコピーと見出しで、強引にだいたい言いたいことは伝えてしまうのです。
一行目さえ読んでくれりゃ、もうこっちのもんです。
最初にインパクトある結論または問題定義でズバッとかましておいて、
あとは文章のレトリックとリズム感でグイグイ読ませる…みたいな手口を使います。
なんか人喰いザメか、イグアナが獲物を狙う図みたいですが…。
要するに、じんわ~り奥深い味わいを堪能していただける作家性の文章と違って、
かなりガツガツしているわけです、広告って。

09 脳内オーガズムは、真夜中に訪れます。
コピーライターにいちばん求められる適性はと聞かれれば、やっぱり体力でしょう。
とくにプレゼンの前や締め切り前は徹夜つづきです。
もうカラダもお肌もボロボロ…。
私たちベテランさんともなれば、老体にムチ打ってです。
ほんと、体力勝負の仕事です。
まぁ、体力より、耐力。能力ってより、脳力かもしれません。
よく真夜中にコピー書いていると突然降ってくるんです、何かが。
あれ何なんでしょうね…。なんていうかスイッチが入って、
ふっと自分が書いてる感覚じゃなくなる瞬間があるんです。
これってデザイナーさんたちも同じことを言います。
広告アイデアのインスピレーションの場合、
トイレに入ってる時に浮かんでくるっていう人や、
電車に揺られている時来るって人、
散歩の最中に降りてくるっていう人もいますね。
私の場合、スイッチ入るまで3時間くらいはかかるんですが、
一回入ると“ランニングハイ”みたいな“ライティング・ハイ”な状態になって、
一気にダダ―とものすごいスピードでものすごい量の文章書ける時があります。
しかも書き終わったら超ハッピーな達成感でフワフワしています。
いわゆる脳内オーガズム状態ですね。
そこでついついポロリと口走る雄叫びは「私って天才かもぉ~!」。
まさに自画自賛ワールドで痛いですね。
自分でもアホかなと思うんですが、この快感がクセになるからやめられないんですね。
コピーライターの仕事って。
でも、この“ライティング・ハイ”がきた仕事は、
やっぱり後から見ても、なかなかいいクオリティの仕事になっていることが多いんですよ。
不思議なものですね。
10 広告はアートじゃない。経済です。
そもそも広告づくりの目的は、クライアントのビジネスの問題解決です。
もっと商品を売りたいとか、売上をあげたいとか、企業イメージを高めたいとか、
企業名を知ってほしいとか、優秀な人材がほしいとか。そう言った課題の解決です。
広告クリエイターは、その課題を解決するために、
有効な媒体プランを考え、ベストな表現方法を考えるわけです。
コピー表現は、その一部に過ぎません。
まして今はデジタルメディア時代ですから、クリエイティブよりも先に
デジタルマーケティングありきです。
どんなに奇抜なアイデアを考えようと、どんなに美しいビジュアルをつくろうと、
どんなに感動的なコピーを書こうとも、問題解決につながらなければ意味がありません。
広告はあくまでビジネスであって、アートではありません。
芸術活動ではなく、経済活動なのですから。
たとえばその問題解決のためにコピーが不要な場合だってあるわけです。
もっと言えば「それって広告で解決できる問題じゃないでしょ!?」なんて場合もあるわけです。
けれど、そうしたビジネスの本質的な部分を理解しながら、
クライアントの問題解決のために、何が提案できるのかベストをつくして考える。
それがプロフェッショナルとしての良心じゃないでしょうか。


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