2025年10月、高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に就任。
満面の笑顔でセンセーショナルな国際外交デビューを飾り、見事な外交手腕を披露。
国会答弁では巧みな切り返しと共に、笑いをとりながら野党と手玉にとるなど、
見事なコミュ力を発揮して、注目を集めています。
これまでの陰キャラ続きの歴代オジさん首相らにはなかった、
その卓越したコミュニケーション能力の高さはどこから来るのでしょう。
その秘密について、言葉とコミュニケーションのプロが分析しました。
今回はその前編をご紹介しましょう。
ナチュラルメイクと笑顔が武器、セルフプロデュース戦略の勝利。
もともと「強い女」のイメージが強い高市早苗首相。
しかし、ここ最近の彼女は、セルフプロデュース力により、柔らかさや優しさをプラスしたため、かなり印象が変わったと感じている人が多いのではないでしょうか。
その大きな要因の一つが、ナチュラルメイクと笑顔です。
かつての高市氏のメイクは、くっきり太い眉に濃いアイライン、赤みの強いヴィヴィッドカラーのレッド系口紅が印象的な、ちょっと厚ぼったい派手目のメイクでした。
これは「強い女」「できる女」を強調していたと思われます。
しかし今年からすっかり柔らかなナチュラルメイクに変更しています。
・まず、眉は眉尻の上部分をカットしてコンシーラーでカバーし、ストレートながら気持ち下がり気味を意識した弓形カーブに変形。アイブロウは淡い色で、眉頭は粉を使いぼかしながら、全体を優しい印象に仕上げます。
・目元もアイラインやシャドウもナチュラルなブラウン系にし、これまた下がり気味のラインを意識し、キツい印象を軽減しています。
・ファンデーションも超薄づきにして透明感を出し、本来の色白の素肌を活かすことで、清潔感ある若々しさ、ナチュラル感を意識して、頬のシャドウでキリッと小顔に引き締めています。
・口紅の色も従来の鮮やかな色から、ナチュラルで血色の良く見せる健康的なピンク系自然色を選んでおり、その口元はつねに口角をあげ、意識的に笑顔を浮かべています。
これらはすべては「やさしさ」「やわらかさ」を強調するイメージ戦略の一環です。
高市氏曰く「今までのメイクより、ナチュラルメイクの方が時間がかかって面倒なのよ」。
そりゃそうでしょう。このメイク、かなりのテクニックが必要ですから。
ちなみに、つねに口角を上げるレッスンは、よくアイドルやモデルなどが行うセルフトレーニングの一つです。
笑顔で発言することで、聞き手に好意的に受容されやすくなるので、同じことを伝えるにも伝達効果が高くなります。
同時に自身の脳にも自身が好調であることを伝達するので、体調管理にも効果的です。
何しろ権力抗争による嫉妬心とプライド渦巻く超男社会の政治の世界。
「強い女」の印象だけでは、陰湿な嫉妬心が強い男性族から揚げ足を取られ、足を引っ張られ、すぐに引きずり下ろされるのは目に見えています。
かつての田中真紀子氏や土井たか子氏、蓮舫氏などがその一例と言ったところでしょう。
ここはひとつ、女性のもつ社交性と優しさを武器に、男性陣のあからさまな敵意と攻撃を交わしながら、笑顔で闘っていくイメージ戦略が得策と言えるでしょう。
しかし、女性の笑顔や涙は、ややもすると“媚び”とも受け取られがちですので、そのバランス感覚が難しいところです。
トランプ大統領との首脳会談の際の高市氏の態度を“媚び”とか“はしゃぎ過ぎ”と評する意見があったのも事実です。
“現地妻“と揶揄し侮蔑したのが女性だったのも悲しい話です。女性の敵は女性でもあるのですね。
いつの時代も100人が100人を納得させるということは不可能です。
いずれにしても、高市早苗氏のコミュニケーション能力が非常に高いと言うことは間違えないでしょう。
今のところ、彼女のナチュラルメイクと笑顔で印象操作するセルフプロデュース戦略は、概ね成功裏に働いているように見えます。
これから男性社会の中で上位を目指していく女性たちは、ぜひセルフプロデュースの参考にされてみてはいかがでしょうか。
自虐ネタで笑いをとる。関西お笑いの王道テクニックを活用。
「かわいそうな女、高市早苗でございます」
これは公明党が連立離脱を表明し、総理大臣になれないかもしれない確率が増した際の高市早苗総理のコメントです。
まさに関西のお笑い芸人がよく使う「自虐ネタ」という笑いのつかみの王道テクニックです。
すなわち、自分や味方をあえて貶めて笑いをとる手法です。
さらに2025年10月8日、高市氏が立憲民主党に挨拶に訪れた際、同行した執行役に裏金議員の荻生田氏が含まれることに対し、「キズモノが一人おりまして」と先手を打ちました。
こちらも「自虐ネタ」の一例ですね。
こうして相手に先んじて自身の問題を笑い化(見える化)することで、民主党の裏金問題に対するツッコミを牽制するわけです。
「あんな言い方されちゃ何も言えませんよね…」と何とも情けない様子の野田代表。
高市氏の戦略にちゃっかりしてやられているわけです。
11月10日の衆議院予算委員会では、枝野幸男委員長が時間がないためコンパクトな回答を求めると高市首相の「はいぃぃーー!!!」。高校の部活男子のようなドスの効いた重低音でリアクションし、国会を爆笑の渦に巻き込みました。後ろにいた林総務長官なんて堪えきれず体をゆすって笑っていたほどです。
首相と言うより、部活の主将ですね…。
奈良県出身の高市早苗氏。時々国会でもあえて関西弁を出すように、阪神タイガースの熱狂的ファンで、ノリが良くて声がでかい、典型的な関西人キャラです。
高市総理はあえて、この関西人の陽キャラと吉本的お笑いテクニックを武器として生かすコミュニケーション戦略をとっていると言えます。
なぜなら、
- 笑いをとることで、相手との距離が一瞬で縮まり、プレゼンテーションが成功しやすい。
- 問題を先に笑い化(見える化)することで、相手のツッコミを牽制できる。
- 関西弁を使うことで、曖昧な表現を避け、言いたいことがストレートにかかりやすく伝わる。
からです。
自分や味方をあえて貶めて笑いをとる「自虐ネタ」。
関西人ならではの陽キャラを生かしたボケとツッコミ精神。
これは関西圏以外の方にはなかなかハードルの高い(?)高等(下等?)テクニックかもしれません。
しかしビジネスシーンでも上手く使えれば有効なことは間違いありません。
勇気ある女性は、自分なりにアレンジしながら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
有言実行の政治信念と誠実な人間力で、アンチをも魅了。
高市首相のコミュ力の基本のキは、まず何といっても政治信念と人間力です。
政治の世界のコミュニケーションの相手は、海外の大統領や首相、国内でも各党の党首をはじめとする国会議員、そしてシビアな視点、敏感な反応で世論をつくる国民たちです。
いくらコミュニケーション力が高いとは言え、表層的なものでは通用しません。
やはり根底には、政治家としての確たる信念、誠意ある人間力がなければ、メッキはすぐに剥がれるでしょう。
まして高市氏と言えば、強行な保守派、手段をも選ばぬタカ派で気の強い女性と言った印象が強く、中国、韓国、北朝鮮と言った周辺の東南アジア諸国や、リベラル派の国民からも警戒感を持たれがちです。
それでも彼女が今のところ、アンチを含めた多くの人々の信頼を勝ち得ているのは、やはり政治家として世の中を良くしたいと願う強い信念、真面目で正直な人間性がベースにあると言えるでしょう。
たとえば総理大臣選の直前に26年間連立を組んでいた公明党が離れ、大ピンチを迎えた時、日本維新の会の吉村代表が自民党と連立を組むことを了承したのも、彼女の政治家としての人格、「本音で腹を割って話せる相手」としての人間性に信頼感を持ったためです。
また、2025年10月30日の初の日韓首脳会談で、韓国の国旗にも一礼をした高市氏の行為は、それまで高市氏をアンチとして警戒していた韓国の大統領や韓国国民からも一目をおかれました。
高市氏の賢いところは、交渉相手と異なる部分にフォーカスするのではなく、まず最初に共有できるマインドにフォーカスさせ、腹を割って新しいウィンウィンの関係を築ける空気感を創るという共感テクニックをうまく使っている点です。
日本維新の会とは、日本を前に進める政治信念を共有し、自身の主張をする前に、相手の提案に耳を傾け、信頼を勝ち得ました。
韓国とは、自分の愛国心を主張する前に、相手の愛国心に敬意を払うことで、互いの互いの愛国心を共有し、その謙虚な姿勢、礼儀正しさが好感を持って受けとられ、ウィンウィンの関係を築く空気感を創ることに成功した一例と言えるでしょう。
ただし中国に対しては、これとは全く真逆の対応をとったようですが…。
彼女のこうした政治家として姿勢、コミュニケーションテクニックは、今後も有効に働いていく可能性は高いと思われます。
(後編に続く)


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